移住して農業と仕事を両立したい!地方都市の農家のリアルと兼業農家のススメ
1.まずはリサーチ!農業と仕事の両立 |
2.就農支援で農家デビュー!? |
3.農業って稼げる?稼げない? |
4.好きじゃないと厳しいかも…農家の仕事 |
5.家族で一致団結して兼業農家という選択! |
田舎で仕事に従事する場合、移住先によっては農業に限らず林業や漁業、畜産業もあるでしょう。
働き方もそれぞれで雇用される形や一次産業として自営される方など、選択肢はあります。
しかし農業などは経験がなければ自営でやっていくのは難しいのが現実です。
まずはリサーチ!農業と仕事の両立
移住生活を考えたとき、思い浮かぶのは「農業」ではないでしょうか?
土いじりが好き、自給自足で暮らしていきたい、など理由はさまざまですが、生活を成立させ食べていくのは簡単なことではありません。
農業をするにしてもノウハウがなければ不可能でしょう。
そんな「農業をしたい!でも知識がない…」という移住者向けにおすすめの制度があります。
地域おこし協力隊
この制度は総務省により2009年度から実施されている取組です。
移住・定住を目的とし、給料をもらいながら地域の仕事に貢献するというものですが、最長で3年という活動期間の期限があります。
出典:総務省
・仕事内容は?
自治体によって異なりますが、一般的には観光PR、地域の特産品PR活動、一次産業などが多いでしょう。
地域を活性化させることが目的ですから、仕事内容は多岐に渡ります。
そのため、農業に従事したいと思っても必ず実現するわけではありません。
一次産業として取組みたい
農業を始めるための知識やノウハウを学ぶことも可能です。
農業経験がなくてもヤル気はある!という人は可能性を秘めています。もちろん実際に経験してみたら「こんなのイメージと違う…」と思う場合もあるでしょう。
そんなギャップを回避するためにも短期間の農業体験は必要と言えます。
国や自治体で行っている農業体験に参加してみるといいですね。
夢と現実をふるいにかけて新規就農が可能か否か?自分に向いているのか?さまざまな自問自答を浴びせてみることです。
「移住後は農業に従事したい」など明確な目標がある場合は、ぜひ挑戦してみましょう!
就農支援については各情報を参考にしてください。
国をあげて支援している
農業に従事する人が少ないことは、大きな社会課題の1つです。
私たちの暮らしに農業は必要不可欠です。
しかし、実際に働いてる人は年々高齢化が進み、後継がいなくなる農家は閉園に追い込まれるなど、担い手をつくっていくことは必要な取り組みとなります。
そのため、国も、農業を始めたい方へ支援金を支給したり研修制度を用意するなど様々な支援を行っています。
下記の農林水産省のページには、新規就農に向けた様々なサポート制度が記されています。
農業に興味がある方は、一度目を通しておいて損はありません。
参考:農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/
プラスαの仕事を持つことも大切
農業がやりたくても収入がなければ夢を叶えることはできません。
そのため、農業だけではなく他の仕事を持つことも必要となります。
移住先がどのような地域なのかということで仕事の選択肢も変わりますが、一般的には高齢者が多い過疎地であることが多いと思います。
高齢者のサポート業務はニーズがあり、収入につながる仕事です。
ほかにも場所や時間を選ばない働き方として注目されている、インターネットを利用したビジネスも収入になります。
ネット環境さえあれば得意なことをお金にできるサービスが複数ありますので、まずは自分にできることをピックアップしてみましょう。
就農支援で農家デビュー!?
兼業農家で農業に従事している人は減少傾向にありますが、非農家出身者にとっては魅力があり、農業次世代人材投資事業のバックアップで新規就農者は増加傾向です。
しかし「農業やりたい!」という人が多くても生き残るのは少数と言わざるを得ません。
農業のノウハウがなく、3K…いや5K?職とも言えるきつい仕事ということを理解していないからでしょう。実際のところ、すぐにやめてしまう人も少なくありません。
各自治体では農業経営を推奨するための支援が整っているにも関わらず、成功する人が少ないのはなぜでしょう?
「農業の本質を知らないから」という人が多いのではないでしょうか。
就農方式の検討も視野に入れて!
農業への関心だけでは現実的ではありません。
やはり経験したうえで独立や自営就農を目指すのが賢い選択と言えるのではないでしょうか。オーナーになるのはそれからでも遅くないという提案です。
農業は憧れや経営戦略だけで成功するほど簡単ではありません。やはり自らが実態を把握して体験することが大切です。そこで農家デビューは少し先送りにして「雇用就農」という方法で農業に触れてみるのはいかがでしょう。
自営就農は農地の確保や農機の購入など資金面でもハードルが高いため、万が一失敗したときのリスクは相当なものです。一方、雇用就農であれば農業法人等に就職することで農業に就くことができます。
農業のノウハウを身につけることもできますから、知識を得た後で自営就農へと、段階を踏んで確実にオーナーを目指すことが可能になるでしょう。
急がば回れの精神で根気強く農業に触れてみることで、見えないものが見えてきて結果オーライとなるのではないでしょうか。
農業って稼げるの?稼げないの?
「農業は儲かる!」そう思って農業を始めるなら少し立ち止まった方がいいかもしれません。
ただお金儲けを考えて農業を選択するのであれば…という話し。もちろん、農業が好きということが前提であれば話しは別です。
結果から言ってしまうと農業は稼げます。
ただし一部の人だけ…と付け加えておきましょう。
農業に限らず成功する人は多くの収入を得ることが可能です。
農業においても然りで、どこの地域でどのような農作物を作り、どのように販売していくのかという点でも大きく変わってきます。
農業の平均年収は600万円前後
一次産業から二次産業、三次産業までのパイプを上手に連携させ、6次産業を実現できている農家の中には1,000万円以上の収入を得ているケースもあるようです。
特定のカテゴリーで成功したうえで、すべてを機械化し人件費を抑え、画期的なシステムの導入で効率化が実現できている大規模農家の特例と思っていた方がいいでしょう。
では一般的な農家の収入はどの程度なのか気になりますね。
下記の農林水産省データによると年収600万円前後と言えますが、経営費の数字が大きく所得自体は少ない印象です。
出典:農林水産省
また兼業なのか専業なのかという経営形態によっても収入は異なります。
都道府県など地域の違いが収入に影響している部分もありますので、平均を出しても該当しないことも多々あるでしょう。
ただサラリーマンの年収などと比較する際、気をつけたい注意点として経費の問題があります。
農家の場合は、売上から経費を引いた金額が利益になりますので、年収が高くても経費が多ければ実際に使える金額は少なくなってしまうのです。
さらに社会保険に加入できるサラリーマンとは違い、農家は国民健康保険に入るのが一般的ですから、その辺も収支に関係してくるでしょう。
天候の影響を受けやすく、毎年同じような収入を得ることは難しいかもしれません。台風被害などで収入激減ということも考えておいた方がいいでしょう。
好きじゃないと厳しいかも…農家の仕事
好きじゃないと厳しい農家の仕事、いえ…好きであっても厳しいと訂正しておきます。
農家と言っても大規模から小規模までさまざまですし、自給自足程度で満足という方もいるかもしれません。
土いじりが好きで、農作物を育てる楽しみから農家の仕事に興味を持っていざ移住!
さぁ、これから好きなように自分の田畑を耕していこうと希望に満ち溢れていることでしょう。
移住者にとっては住居も農地も新たな土地でのスタートとなります。
住居はご近所さんなどとの交流が想像つきますが、農地も同じということを理解しておくことです。
農業が好きで移住してきたものの自分の思い通りにいかなくて嫌になってしまうことだってあり得ます。
自分の土地なのに、あれやこれやと周囲の農家から横やりが入ることも少なくありません。アドバイスをしてくれている面もあるのでしょうが、こちらの対応が悪ければその土地で農業を営むことは難しくなるでしょう。
また、そのアドバイスが必ずしも正しいとは限らず、言われるがままに実践していたら農作物をダメにしてしまったというケースもあります。
そんなときでも農業が好きなら前を向いていられるでしょうが、好きでもない中でなんとなく移住、就農となった場合は厳しいでしょうね。
虫が嫌い、農作物が上手く育たない、収入にならない、周囲が鬱陶しいなど…。
嫌なことが多々ある中で農家の仕事をこなしていくには、「それでも農業が好き!」という強い信念が必要です。
家族で一致団結して兼業農家という選択!
兼業農家は2種類に分類されています。同世帯で農業以外の仕事から収入を得ている家族がいる場合で、その収入が農業収入を上回るか下回るかで分けられます。
農業収入の方が多い場合は第1種兼業農家、少ない場合は第2種兼業農家となります。
例えば世帯主である夫が農業に専念していたとしても、妻がパートに出て農業以外の収入を得ている場合は兼業農家に分類されます。
もちろん夫がサラリーマンをしながら農業を兼ねている場合も兼業農家です。
兼業農家は大変というイメージもありますが、家族がそれぞれの役割を分担することで、移住して農業に従事することはそれほど難しいことではありません。
収入源が2つ以上あることは生活していくうえで強みとなります。
天候に左右される農業ですから、不作で収入が不安定ということは想定内です。
そんなときでも農業以外の収入があれば安心でしょう。
夫婦で農業に従事しながら、さらに夫婦で別の仕事を持つのもいいですね。リモートワークなどの仕事はそれを可能にしてくれます。
まとめ
農業で生計を立てることは簡単ではありませんね。ただし、不可能でもありません。
農業が好きであれば選択肢は複数あるので、夢を実現することはできます。
ただの夢ではなく、目的のある夢に限りますが、本人次第で現実のものとなるでしょう。
そのためにも情報収集に手を抜いてはいけません。
しかし独自のリサーチは時間もかかりますし視野も狭くなります。
農業・移住・田舎暮らしのスペシャリストに相談して、ぜひ目的に向かった一歩を踏み出していただきたいと思います。